RPAは業務効率化とセットで語られることも多いですが、RPAの導入が様々な課題を解決すると考えているRPA推進担当者も少なくないようです。
今回は業務効率化に関するあるあるエピソードを3つ紹介していきます。
その1:RPAが「自社のリソース問題を解決する」と思っている
企業側担当者:
RPAは業務を自動化してくれるから、リソースの問題はなんとかなりそうだ・・・。
RPAベンダー担当者:
RPAの導入と自社のリソース問題は分けて考えた方がいいですよ。
なぜなら、RPAにはできる業務が決まっているからです。
たしかに業務フローの一部を自動化することで、空いたリソースは他の業務に充てることができます。
しかし一部の限られた業務を自動化したところで自社全体のリソース問題は改善されないんです。
企業側担当者:
じゃあ自動化する業務を拡大すればいいのでは…。
RPAベンダー担当者:
そこがRPA運用の難しいところなんです。
特定業務の自動化には成功しても、他部門への横展開、全社展開では様々な壁にぶつかります。
例えば以下のような壁が想定されます。
- ① 認知されていない
- ② 効果が知られていない
- ③ 自動化対象業務がない
- ④ 拡大する体制を持っていない
こうした壁を乗り越えて初めて全社的な成果が見えてきます。
企業側担当者:
デジタルレイバーさえ増やせば、リソース解決になるって思っていたけど、安直に考えない方がいいんですね。
その2:RPAを業務効率化のメシア(救世主)だと考えている
企業側担当者:
ついに自社にも来ましたねRPAが・・・。
心の声:(これで自社の業務効率化は約束された・・・)
RPAベンダー担当者:
残念ながらRPAを導入しただけではゴールではありません。
RPAの導入によって期待される業務効率化は自動化対象業務の洗い出しが鍵を握ります。
企業側担当者:
えっ?そうなの??
RPAベンダー担当者:
業務フローの可視化などを行い、既存の業務フローのムダをそぎ落とした上でRPAに動作を記憶させていきます。
もちろん業務フローが変化する度にRPAに覚えさせる動作も変化するので、修正コストを想定した自動化対象業務の選定が重要になりますね。
企業側担当者:
そうだったんですね…たしかに、「RPA導入」で終わりだったらそんな楽な話無いですもんね。頑張ろ!
その3:業務時間削減を達成して満足している
企業側担当者:
やった!業務時間500時間削減できた!
RPAの取り組み頑張って良かった~。
RPAベンダー担当者:
業務時間削減は素晴らしい成果ですね。
ただし、業務時間の削減をゴールとしてしまってはいけません。
RPAは働き方改革の一環として実施されることも多いですが、DXの取り組みのファーストステップとして認識される側面もあります。
企業側担当者:
せっかく喜んでるんだから、ちょっとは喜びに浸らせて~。
RPAベンダー担当者:
すみません!
でも知っておいていただきたいのは、DX実現は今やあらゆる分野での共通目標となっているため、さらなる業務効率化のために自動化対象業務の拡大を行ったり、AIとの連携によって高度な自動化へと取り組みを移行したりすることも視野に入れていくことが重要になってきます。
企業側担当者:
そっか、これに満足せずにもっとできることを考えていくのも大切ってことか。RPAできることほかにもあるかも
まとめ
RPAの導入によって業務効率化は達成されますが、業務効率化をRPA導入の最終的なゴールとしてしまっては勿体ないです。
違う角度からみれば、RPAの導入はDXの取り組みのファーストステップとして位置づけられるものであるため、DXの取り組みへと接続していくことも経営戦略として考えていく必要があります。