DXの実現に向けて、国内企業の多くがSaaS(Software as a Service)などのクラウドサービス活用に乗り出しています。SaaSは「Chatwork」といったチャットサービスや、「freee」といった会計ソフトなどの業務支援ツールとして知られていますが、情報システムの稼働に必要なインフラ環境をクラウドサービスとして提供するIaaS(Infrastructure as a Service)については知らない方も多いことでしょう。
そこで今回は、インフラ構築をクラウドで行う理由について解説し、セキュリティやカスタマイズ性をクリアするクラウドの種類について紹介していきます。既存システムをクラウド移行するにあたって重要な3つの考え方も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
DX実現に向けたインフラ構築をクラウドで行う理由
企業の業務部門が様々な業務支援ツールで効率化を図るなか、情報システムの稼働に必要なインフラ構築を担当する情報システム部門もまた変化の激しいDX時代のデータ活用に向けて、クラウド活用を検討する必要があります。既存システムをクラウド上に置く理由は主に以下の2つです。
・SaaSなどの各クラウドサービスとの連携がしやすい
・システムの保守管理負担を軽減するため
とはいえ、既存システムのクラウド移行はセキュリティリスクへの懸念や、心理的ハードルなどが足かせとなって実現しないことが多いのも事実でしょう。したがって、既存システムのクラウド移行にあたっては、ベンダー企業の担当者やサービスページを活用し、「クラウドセキュリティのレベル」や「クラウド運用イメージ」の知識を仕入れることが先決です。その上で、自社の既存システムのうち、クラウドに押し上げるものと、オンプレミスのまま管理するものに仕分ける必要があります。
DX時代に向けたインフラ構築の条件
DX時代では、爆発的に増加するデータを収集・編集するために、新しいデジタル技術を活用したデジタル活用基盤を構築しておくことが必須とされています。また、経済産業省のDXレポート「2025年の崖」で示されたように、国内企業の多くは「既存システムの刷新」をDX推進の中心に据えなければならず、迅速なインフラ構築が求められているのです。
こうした現状を踏まえると、DX時代に向けたインフラ構築の条件として以下の3つが想定されます。
・スピーディーに構築が可能
・初期投資がおさえられる
・保守管理負担の軽減
これら3つの条件をクリアするのが「クラウドを活用したインフラ構築」となります。インフラ構築時には、単にコストの観点からクラウドサービスを選定するのではなく、「中長期的にみて保守管理負担が軽減されるのか」といった観点から選定することも重要です。
導入クラウドの種類
DX時代に必要とされるクラウドを活用したインフラ構築ですが、サーバー保守管理の負担を軽減したいと考える企業もあれば、高セキュリティの占有サーバーでサービス環境を構築したいと考える企業もあるでしょう。最適な導入クラウドを選ぶには、クラウドの3つの特徴について知ることが重要です。
パブリッククラウド
パブリッククラウドとは、インターネット(VPN)を経由し、他社とサーバー環境を共有してインフラ構築を行う方法のことを指します。開発にかかるコストをおさえたい場合や、サーバー保守管理負担を軽減したい場合などに導入するクラウドといえます。パブリッククラウドでも、DXに向けたインフラ構築の条件はクリアしていますが、セキュリティ面への不安などを考えて、プライベートクラウドを選択する企業も少なくありません。
プライベートクラウド
プライベートクラウドとは、VPNや閉域網接続を経由し、他社と共有しないサービス環境でインフラ構築を行う方法のことを指します。パブリッククラウドよりも高セキュリティで運用を行うことができ、「他社とサービス環境を共有することによる性能低下の懸念がない」ことなど、いくつかのメリットがあります。
ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を組み合わせてインフラ構築を行う方法のことです。システムで管理するデータの中には機密情報も含まれているため、高いセキュリティ要件が求められるデータの取り扱いはプライベートクラウドで行い、それ以外のデータはコスト面を考慮してパブリッククラウドで管理する、といった使い分けも可能となっています。
クラウド移行を加速させる3つの考え方
自社の情報システムの稼働に必要なインフラ構築をクラウドに置く上で、欠かせない3つの考え方が以下となります。
・変えないもの
・変える必要があるもの
・新しく構築するもの(クラウドネイティブ)
クラウドでインフラ構築を行う上で必然的に出てくるのが「既存システムを残すか否か」といった問題です。新しくクラウド環境で構築する場合は「クラウドネイティブ」としてアプリケーションを新規開発していきますが、変えないものは無理にクラウドに押し上げることなく、「オンプレミスのまま管理する」といった判断も必要となります。
また、変える必要があるものについては、アプリケーションをクラウドに移行するだけでなく、アーキテクチャを変更し、APIを活用してクラウド運用に最適な形へと改良していくことが重要となります。3つに切り分けたシステムは個別に稼働させるのではなく、それぞれAPIで連携させてデータ活用体制を構築していきます。
まとめ
DX実現に向けたインフラ構築のクラウド活用は、迅速かつ低コストでの開発が求められる現在の企業ニーズと親和性が高いものとなっています。既存システムのクラウド移行については、変えるものと変えないもの、新しく構築するもの(クラウドネイティブ)の3つの考え方を軸に推進していくことがポイントとなるでしょう。
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