人事と労務の違いは?業務を効率化する方法は?

2021/08/18 コボットコラム
人事労務

人事と労務の違いを説明することはできるでしょうか?どちらも「人」に関わる仕事ではありますが、実際の仕事内容には大きな違いがあります。

今回は、人事と労務の違いにフォーカスし、それぞれの仕事内容、向いている人、必要なスキルなどを解説します。また業務を効率化する方法についても解説します。

人事と労務の違い

企業の経営資源には「人」「物」「金」「情報」の4つがあるとビジネスの世界では言われています。そのうちの一つである「人」を扱う仕事が、人事と労務です。

しかし、同じ「人」を扱う仕事といっても、実際の仕事内容には大きな違いがあります。では、どのような違いがあるのか解説しましょう。

人事とは

人事は、「採用活動」「人材育成」「人材評価」「人材配置」など、人材を確保し、有効活用するための業務を行います。単に、社員それぞれの能力が発揮されれば良いのではなく、組織全体の利益につなげていく必要があります。人事は、社員のキャリア形成や経営に大きく関われる仕事で、そこにやりがいを見出す方が多くいます。

労務とは

労務は、「給与計算」「社会保険手続き」「入社・退職手続き」「労務トラブル対応」「健康管理」「就業規則作成」など、社員の働く環境を整備し、組織を円滑に機能させるための業務を行います。どちらかというと裏方で、事務的な仕事が比較的多いです。

労務は、社員の働きやすさや組織の労働効率などに大きく関われる仕事で、そこにやりがいを見出す方が多くいます。

このように、「人事は社員と直接的に関わり、労務は社員と間接的に関わる」「人事は人材で組織を活気づけ、労務は環境や仕組みで組織を活気づける」と区別するとわかりやすいでしょう。

人事の仕事内容

前述したように、人事は「採用活動」「人材育成」「人材評価」「人材配置」などを行います。それぞれの業務について具体的に解説しましょう。

採用活動

採用活動は、経営幹部が策定した経営計画に即して、会社を運営していくために必要な人材の確保を行う業務です。具体的には、次のようなことを行います。

  • ・広報:就職活動サイトに登録、企業説明会
  • ・選考:書類審査、筆記試験、グループワーク、面接
  • ・内定者フォロー:内定式、内定者懇談会、辞退者対応

採用活動には、学生を対象にした新卒採用と、社会人を対象にした中途採用の大きく2つがあります。

人材育成

人材育成は、社員として、また社会人として、必要な知識・スキル・マナーを身に着けてもらうために、教育を行う業務です。ジャンルとしては、例えば、営業、接客、マネジメント、メンバーシップ、プレゼンテーション、語学、情報システムなどがあります。

この教育には、通常の業務の中で行う「OJT(On-the-Job Training)」と、通常の業務から離れて、セミナーや研修を通じて行う「Off-JT(Off-The-Job Training)」の大きく2つがあります。

人材評価

人材評価は、各社員に対し能力や業績、目標達成度合いなどを考慮した上で、また必要に応じて人事面談を実施した上で、人材としての評価を行う業務です。

この評価は、各社員の待遇や人材育成計画に直結するもので、客観性や透明性が求められます。特に、上司の主観が反映されたものにならないよう、細心の注意を払う必要があります。

人材配置

人材配置は、経営計画や組織バランス、各部門(人材の受け入れ先)の意見、各社員の能力・適正などを考慮した上で、各社員の配置を行う業務です。配置先の決め方は組織全体のメリットを優先することが多いですが、個人の希望や家庭環境などにも配慮することも重要です。

向いている人

人事に向いているのは、「明るくて人当たりの良い人」「人に興味を持っている人」「相手の立場に立てる人」だといえます。

明るくて人当たりの良い人

ご自身が就職活動をする際、会社説明会や面接などで、担当者が暗かったり、威圧的だったり、不愛想だったりしたらどう感じるでしょうか?その企業に対してマイナスのイメージを抱いてしまいますよね。採用活動を行う際、人事は「企業の顔」となります。そのため、明るくて人当たりの良い人が向いているのです。

人に興味を持っている人

人事は、社員のキャリア形成に大きく関わる仕事です。そのため、「この人はどういった性格なのだろう?」「この人にはこういう能力があるのでは?」「この人はこういうスキルを磨いたほうが良いのでは?」といったように、人に興味を持つ人が向いているといえます。

相手の立場に立てる人

仕事に対する考え方や価値観は、社員によってさまざまです。そのため、人材の育成や配置を考える際には、各社員の立場に立って判断することがとても重要です。

もちろん、企業である以上、経営計画に即していくことが大切ですが、各社員の立場を無視してしまうと、「士気が下がる」「離職率が高まる」などの弊害が出てきてしまいます。したがって、各社員が生き生きと働けるよう、人事には相手の立場に立てる人が向いているといえます。

必要なスキル・能力

人事に必要なスキル・能力は、「コミュニケーションスキル」「経営感覚」です。

コミュニケーションスキル

人事は、採用面接や人事面談、各部門の意見収集など、人と対話することの多い仕事です。その分、コミュニケーションスキルが求められます。

経営感覚

会社の売り上げや方向性は、「どのような人を採用するか」「どこに誰を配置するか」で変わってくるものです。それだけ、人事には経営感覚が要求されます。

実際に経営的な判断を行うことは少ないかもしれませんが、経営に関する知識はあったほうが良いでしょう。

労務の仕事内容

給与計算

続いて、労務の仕事内容について解説しましょう。

労務は「給与計算」「社会保険手続き」「入社・退職手続き」「労務トラブル対応」「健康管理」「就業規則作成」などを行います。それぞれの具体的に解説していきます。

給与計算

給与計算は、各社員の給与計算を行う業務です。給与の金額は基本給や交通費、残業代、税金、社会保険料などで決まるもので、間違いのないよう作業の正確さが求められます。

社会保険手続き

社会保険手続きは、健康保険や厚生年金、雇用保険、労働災害保険など、各社員の社会保険に関する手続きを行う業務です。

入社・退職手続き

入社・退職手続きは、各社員の入社・退職手続きを行う業務です。

入社時には雇用契約書や労働条件通知書の作成、各種社会保険の加入手続き、給与振込口座の登録、通勤経路の確認、健康診断などを行います。

また、退職時には退職届の受け取りや各種社会保険の喪失手続き、退職金の計算、制服や社外秘資料の回収、離職票の受け渡しなどを行います。

労務トラブル対応

労務トラブル対応は、残業代の未払いや過重労働、ハラスメント、人間関係トラブルなど、さまざまな労務トラブルの対応を行う業務です。裁判になった場合は、裁判所にも出向きます。

健康管理

健康管理は、健康診断やストレスチェック、産業医による健康指導、医療機関との連携など、社員の健康管理を行う業務です。

近年、うつ病やがんなど病気になる方が増加しており、この健康管理は、労務の中でも特に重要な仕事と位置づけられつつあります。

就業規則作成

常態としてパートやアルバイトなどを含めて10人以上の労働者を雇用している場合、就業規則を作成する必要があります。

就業規則とは、賃金や労働時間、退職時の取り扱いなど、雇用に関するルールを定めたものです。この就業規則の作成は、労務の担当であることが多いです。

向いている人

労務に向いているのは、「正確に作業を行える人」「学習意欲の高い人」だといえます。

正確に作業を行える人

労務には、計算系や手続き系の作業が多いため、一定のスケジュールのもと、コツコツと正確な作業を行える人が向いているといえます。

学習意欲の高い人

労務の仕事では、法律や税金に関する知識が必要となるケースが多くありますが、法律や税金の内容は、法改正・制度改正によって変わることが多々あります。

そのため、頭にある情報を柔軟にアップデートできるような、学習意欲の高い人が向いているといえます。

必要なスキル・能力

労務に必要なスキル・能力は、「PCスキル」「秘密保持の姿勢」「分析能力」です。

PCスキル

労務には事務的な仕事が多いため、PCスキルがあると仕事がスムーズになります。

秘密保持の姿勢

労務では、社員のプライバシーに触れることが多いため、秘密保持の姿勢が要求されます。

分析能力

社員の働く環境に関わる労務では、過重労働や人間関係のトラブル、ハラスメントといった問題に対峙することになります。

そのため、問題を複雑化させず早急に解決していくための分析能力が要求されます。

企業における人事と労務の重要性

「人」「物」「金」「情報」と4つある経営資源のうち、「人」が最も基本的かつ重要なものです。

人事と労務は、企業活動の中核である「人」を扱います。企画部門や営業部門、開発部門、生産部門など、各部門において人材が活躍している裏には、必ずといって良いほど人事や労務のサポートがあります。

したがって人事・労務は直接的に利益を生み出すわけではありませんが、企業にとってはとても重要な存在なのです。

また、「人事と労務は両輪」と言われることがあります。成果を出せる人材がいたとしても、働きやすい環境が整っていなければ、その人材を活かすことができません。働きやすい環境が整っていたとしても、成果を出せる人材がいなければ、その環境を活かすことができません。

人事と労務、それぞれ仕事内容は異なりますが、互いに密接な関係にあり、連携していくことが求められます。人事の質、労務の質、そして人事と労務の連携の質、これらが向上することで、社員の満足度や定着率、会社の収益性や安定性が向上していくといえます。

人事・労務を効率化する方法

最後に、人事と労務の業務を効率化する方法を紹介しましょう。

業務フローの作成

業務フローとは、ある特定の業務に関する作業の流れを、図や表などを用いて可視化したものです。

業務フローを作成すると、業務全体を一目で把握できるようになるため、作業がスムーズになります。印刷したものを、その業務を行うエリアの壁などに貼っておくと便利です。

また、業務フローがあると、関連メンバーとの打ち合わせがしやすくなったり、新人に業務を説明しやすくなったり、業務改善の議論がしやすくなったりといったメリットがあります。

年間スケジュールの作成

業務の中には、実施時期が決まっているものもあります。たとえば、人事であれば採用活動や各研修など、労務であれば入社手続きや健康診断などがそれにあたります。

これらを踏まえて年間スケジュールを作成すると、各業務の優先順位や繁忙期の時期などを一目で把握できるようになるため、業務を進めやすくなります。チーム内でのスケジュール調整なども行いやすくなるでしょう。

業務ソフトの導入

業務を抜本的に効率化する方法として、「採用管理ソフト」や「給与計算ソフト」など、業務ソフトの導入があります。

業務ソフトを導入すると、数値計算や書類作成などが半自動化され、データ管理も行いやすくなり、業務が格段にスムーズになるでしょう。

業務ソフトの選び方としては、機能や操作性、料金、サポート体制などがポイントとなります。自社の業務内容に合わせて、独自の業務ソフトを開発する方法もあります。

まとめ

人事と労務の違いについて解説しました。

人事と労務は、どちらも企業の財産である「人材」に関わる仕事です。企業にとって人材は非常に大切な存在で、人材なしで事業を継続することはできません。その人材をどう生かすかは、人事と労務にかかってきます。

近年、「働き方改革」ということばを耳にする機会は少なくないでしょう。社会構造や人々の価値観が変わっていく中、あらゆる企業が「新しい働き方」というものを模索しています。

人事や労務は、今までにはない働き方の仕組みを検討することができる部門であり、そういった意味でもやりがいがあるといえるでしょう。

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