「不動産×VR」の新たなビジネス
不動産はVRにどのように活かせるのか?

2021/06/29 コボットコラム
不動産業界におけるVR

近年、不動産業界において、VR技術の活用が始まっています。「不動産×VR」は不動産ビジネスにおいて、新たな可能性を秘めています。

顧客は賃貸物件を探すとき、「時間をかけずにできるだけ多くの物件をチェックしたい」「遠方の物件を見に行くのが大変」という風に思っていることも少なくありません。VR技術は、そんな顧客の悩みを解決すると同時に、業者側にも大きなメリットがあります。

今回は、不動産業におけるVRの活用について解説します。

VRとは

VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略称で、コンピュータや3DCGを用いた疑似体験のことです。コンピュータで作られた仮想空間(人工的な環境)を、VR機器を介して現実のものとして知覚させる技術で、日本語では「仮想現実」と訳されます。

VRの用途には、ゲームなどのエンターテインメント、教育・医療への応用、仮想会議などのビジネスが挙げられます。標準的なVRシステムは、仮想環境におけるユーザーの動きをシミュレートし、リアルな視覚や聴覚、その他の感覚を仮想的に再現します。

VR機器を使用する人は、仮想的に作られた世界を見回したり、その中で動き回ったり、バーチャルならではの機能やアイテムを扱うことができます。

VRの中で最も一般的なVRゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)を用いるタイプのものは、「没入型VR」と呼ばれます。近年ではより手軽にVRを体験できるようになっており、専用のアタッチメントを用いてスマートフォンでも没入型VRを体験できます。

不動産業界におけるVRの活用事例

VRは、新しいビジネスモデルを構築するために活用されています。そして、不動産業界でもVRは新しいビジネスツールとして使い始められています。

不動産物件の閲覧には、「現場に行かなくてはならない」「時間の制約がある」といった、「空間的制約」「時間的制約」という2つの大きな障壁がありました。しかし、VRにより、この空間的制約と時間的制約を改善することができるようになりました。

例えば、顧客は自宅からでも、いつでも物件を見ることができるようになるといったように、今までではあり得なかったことが可能になってきています。

3DCG・360度写真による部屋の再現

不動産におけるVRの利用で、最もポピュラーなものの一つが「3DCG・360度写真による部屋の再現」です。

3DCGは、いわゆるコンピュータグラフィックによる再現で、VR技術では一般的な手法です。コンピュータ上に物件を3Dで再現することで、現実に近い三次元映像を見ることができます。

物件を3Dで再現することで、後述するVR内見・内覧への応用が可能です。また、3Dデータは色やライトを自由に変更できるため、内壁や外壁の色を変えた場合のイメージ映像や、太陽光の差し込み具合をシミュレーションしたイメージ映像を作成することができます。

360度写真は、スマートフォンでも撮影できる「360度パノラマ写真」などと類似の技術で、写真を用いて現実のような空間の広がりを再現します。さらに、360度写真上にCGで制作した画像を組み合わせることも可能です。

代表的な使い方としては、360度写真上にCGで制作した家具や小物を配置するバーチャルホームステージングがあります。写真と3Dを合成する技術であるため、CGと写真の合成部分の見た目の違和感がないように大きさを調整したり、合成したCGの影をつけたりする加工の部分に手間がかかったりします。

しかしながら、実際の物件に対して本物の家具やインテリアを用いてホームステージングをする場合の費用や手間と比較すると、VRによるホームステージングははるかに手軽で安価に済みます。

このVRホームステージングを利用すると、家具やインテリアが置かれていない部屋の映像と比べ、実際に居住した際の家具の配置イメージがつきやすくなります。中古の売買や買取再販の際に、居住イメージ映像として提供するなどの方法で活用されています。

VRを用いた内見・内覧

上記の3DCG・360度写真による部屋の再現を活かし、実際に不動産ビジネスに活用しているものにVRを用いた内見・内覧があります。VR内見・内覧とは、上記のVR技術を利用した物件の内見・内覧のことです。

VRゴーグルやスマートフォンに部屋の360度映像を映し出すことで、離れた場所にある物件の内部を、あたかもその部屋にいるかのように内見・内覧することができます。顧客も業者も実際の物件に足を運ぶ必要がないことが特徴です。

VR内見・内覧は、VR技術で視覚を再現するため、通常のカメラよりも現実の視点に近い映像を提供できることが特徴です。

例えば、通常のカメラで撮影した部屋の写真は、カメラの性能や撮影方法によっては、実際よりも広く見えたり、画像の両端に向かって伸びたりするなどの問題があります。一方で、VR内見・内覧で使用される360度カメラにはそのような問題はありません。

また、VRゴーグル内の画面上に間取りや築年数などの情報を表示したり、家具やインテリアの3Dデータを反映し、室内の模様替えを行った場合のパターンを映し出したりすることができます。

さらに、気になる物件をすぐに見ることができるため、顧客にとっても大きなメリットがあります。退去前の人がまだ住んでいたり、リフォーム中で入れなかったりしても、過去に撮影したデータを使ってVR内見・内覧できることも特徴です。

VR内見とは?導入のメリット&ポイント、おすすめシステム

不動産会社がVRを導入するメリット

従来の不動産写真

続いて、不動産業界でVRを利用するメリットについて解説しましょう。

業務効率が上昇する

VRを使用すると、不動産会社はさまざまな時間的制約が省けるようになります。その結果として、業務効率の改善が期待できます。

従来の方法では、不動産会社は顧客を物件に案内する必要がありますが、VRを活用すればそういった手間を省くことができます。「物件への訪問」と「物件への移動」にかかる時間が必要なくなるため、業者は成約までに必要な時間を大幅に短縮できます。

コロナ時代への対応ができる

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、でさまざまな業務を非対面において実施することが求められるようになりました。VR技術を用いれば、データを使ったやり取りが可能になるため、直接対面する必要性を減少させることが可能です。

VRの活用は、非対面で内見・内覧などを可能するため、対面を避けることができます。

成約率上昇と空室率の低下が期待できる

VR技術によって時間を活用することができるようになるため、その時間を販売に充てることも可能になります。

VRを利用すると短期間で多数の物件を紹介することが可能になるため、顧客が検討できる物件の数が従来の内覧・内見よりも増えます。その結果、顧客が求めている物件が見つからなくなる可能性が低くなると考えられます。したがって、時間の短縮による物件紹介件数の増加は、成約率の上昇につながるといえます。

また、VRは空室率の低下にも貢献すると考えられます。空室は、不動産オーナーと管理会社にとって大きな問題の一つです。

例えば、1ヶ月後に空室予定となる物件があった場合、現時点では入居者がいるため、内見・内覧ができません。入居者がいる状態でも内見・内覧を行うことができれば、退去後に空室となる期間を短くできる可能性があります。

VRを活用すれば、以前撮影した物件で室内を確認することができます。そのため、次の入居者を決めるまでの期間が短縮され、空室率の低下が期待できるのです。

宣伝・集客効果が望める

VRは新しいテクノロジーであるため、VRを活用したサービスは従来の不動産会社との差別化要素となります。そのため、VRは顧客に対する宣伝効果があるといえます。

また、VRを用いると、インターネット上で物件やその情報を閲覧できるようになり、オンラインでも問い合わせにつながり集客効果が高まると考えられます。

VR導入に必要となる機材

では、実際に不動産会社がVRを導入するには、どういった機材が必要なのでしょうか?ここでは、VRの導入に必要な機材について解説していきます。

360度カメラ

VRコンテンツを作る際は、360度写真を使うことが一般的ですが、そのためには、まず360度カメラが必要です。

360度カメラは一般的なカメラと比べて高価というわけではなく、2万円ほどで購入することができます。製品によって画素数や撮影可能な容量が異なるため、自社の物件や部屋の数に合ったカメラを選ぶことが大切です。

一脚

360度カメラは、手で持って撮影することが可能です。しかし、手ブレや画像の歪みなどの問題が発生する恐れがあるため、VR用コンテンツを作成する際には一脚を使用した方が無難でしょう。

三脚でも撮影できないことはありませんが、360度カメラの特性上、脚が写り込んでしまうことがあります。そのため、脚が写り込まない一脚の使用が向いています。

VRゴーグル/スマートフォン

VRゴーグルは、VRを体験するためのレンズ付きゴーグルです。数万円の本格的なゴーグルから、スマホを挿入できるシンプルなゴーグルまでさまざまなタイプがあります。

VRゴーグルには、パソコンが必要なものやゲーム機と連動するもの、スマートフォンのアプリと連動するものなどさまざまな種類があります。それぞれ機能や性能、価格が異なるため、自社が必要とする機能を持ったものを選ぶようにしてください。

不動産VRサービス:SpacelyVR

最後に、不動産VRサービスを紹介しましょう。一例として「SpacelyVR」について紹介します。

SpacelyVRは株式会社スペースリーが運営するサービスで、誰でも簡単にVRを作成することが可能です。

pacelyVRの360度VRコンテンツは独自の特許技術を用いて作られており、遠く離れた人同士でも瞬時に同期できる機能があるため、特に不動産関係のVRコンテンツと相性が良いことが特徴です。

2021年6月時点で、導入企業は4,000社以上、さらには不動産業者でのサービス継続率98.9%と、業界内でも優れた実績をあげています。

料金プランは業者の規模に合わせて設定できるよう、「プレミアム(月額42,000円/アカウント)」「ビジネス(月額24,000円/アカウント)」「パーソナル(月額4,980円/アカウント)」の3種類が用意されています(いずれも税抜価格)。

また、オプションとして、バーチャルホームステージングや、居住中の室内の家具などをバーチャル上で消す「CG家具消し」や、VRコンテンツの制作を代行してくれる「おまかせVR撮影制作代行」なども用意されています。

SpacelyVR

まとめ

「不動産×VR」が不動産業務にもたらすものは、時間的制約と空間的制約からの脱却であり、非常に大きなメリットがあります。

時間的制約と空間的制約が最小限になることで、不動産におけるさまざまな業務を効率化し、さらに成約率向上・空室率低減というメリット享受することができます。

また、このコロナ時代において、対面を避けるビジネススタイルとして着目されている点も見逃せません。

「不動産×VR」によるビジネスは、「時間的制約」と「空間的制約」から解放されるための技術であると同時に、不動産業者たちが新しい時代に対応できる技術として、想像以上に大きな価値を秘めているのかもしれません。

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