e-Govの入力業務にRPAツール「コボットPlatform」を導入して
申請業務作業の軽減化を実現!
- 目的
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- 登録者の雇用保険加入・喪失にまつわる入力作業の軽減化
- 課題
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- 各支店から書類として送られてくる登録者の内容を、本社で手入力にてデータ化
- 入力作業の時間が取られるうえ、人為的なミスも起こっていた
- 結果
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- RPAを導入しe-Govへの入力作業が自動化されたことにより、作業時間が半分以上削減され他の業務や作業が進められる時間を作ることができるようになった。また、各支店で作成されていた書類がデータ化されたことにより入力ミスが減り、かつ、入力後のデータを一覧で確認できることで、さらなるミスの洗い出しの効果を上げた。
大阪府大阪市に拠点を置き、関西エリアはもとより、関東、中部、東北、九州エリアにも支店を持ち、全国規模で総合人材サービスを行っている株式会社ログロール。
人材派遣業を行う上で、全支店での登録者様の雇用保険加入・喪失にまつわるe-Govの入力業務を本社でまとめて行っていましたが、数も多く、作業面でのストレスを抱えていらっしゃいました。
そこでRPAツール「コボットPlatform」を導入し、ルーティン作業を自動化。作業時間の軽減に加え、データの一覧管理によるミスの軽減などの効果を実感していただきました。
今回は、雇用保険加入・喪失の業務を行っている経理部の小瀧歩美様にお話を伺いました。
- 社名
- 株式会社ログロール
- 事業内容
- 労働者派遣業、職業紹介業、業務請負(引越梱包・解梱・販促業務アシスタント・OAオペレーティング・物流関係構内作業・ サンプリング業務・その他)
- 資本金
- 1,000万円
- 設立
- 1997年2月
- 従業員数
- 56名
- URL
- https://www.logroll.co.jp/
RPAの導入に対して
考えていたような膨大で大変な作業は無かった
どのような経緯で「コボットPlatform」を導入されたのでしょうか?
小瀧様:弊社は派遣事業を行っているのですが、登録者様の雇用保険の加入と喪失にまつわる入力作業が日々発生します。以前はハローワークに直接出向いて入力作業を行っていたのですが、それを電子化することになり、効率良くできる方法がないかを探していた際に「コボットPlatform」というRPAツールを使った自動化システムのことを部長が知って導入することになりました。
導入前にはどのような課題がありましたか?
小瀧様:導入前は16ある各支店の担当者が作成した書類を見ながら、本社で私たちが登録者様お一人ずつのデータを手入力していました。それぞれの方のお名前、住所、生年月日から、加入日、喪失日などを入力していくのですが、気を付けていてもミスが発生してしまって。
例えば、簡単な性別の入力や、昭和・平成の入れ間違いなど、目で見てすぐにわかるようなことなのですが、何件も同じような作業を繰り返していると、どうしても間違いは起こってしまっていました。
また、週ごとにまとめたものが各支店から本社に送られてくるのですが、多いときには10名以上の場合もあるので、合計すると週に160名以上の登録者様のデータを入力することもありました。以前は、主に3名でこの作業を担当していたのですが、他の業務も行いながらでしたので、数が多いと作業が追い付かず、見落とし、取りこぼしもあるなど、簡単な業務ではありませんでした。
RPAでの自動化にe-Gov「雇用保険の加入と喪失」を選んだのはなぜですか?
小瀧様:ほかにもいくつか社内で検討した作業はあったのですが、どうしても手作業が必要な個所があり、e-Govの作業であれば単純作業が多く完全に機械的に処理できるということで選びました。どのような作業を自動化したいか、については、実際に作業をしていた私を中心に、他にもこの作業を担当していた同僚や部長とで相談をしながら決めていきました。
導入検討からシステムの稼働までの期間には満足されましたか?
小瀧様:実際に検討を始めてから導入までの期間は2ヵ月ぐらいでした。私たちとしてはすごく早く作っていただいたという印象です。特に私たち側で指示書を作成するなどの作業もなく、ディップの担当者の方に聞かれたことに口頭で答えていきながら、オンラインの画面共有機能なども使って説明をして、要望をくんでいただきました。
「これはどうなんだろう?」と疑問や不安に思うことがあっても、すぐにディップの担当者の方が対応してくださったので、スムーズに進めることができました。
人員減の窮地をコボットがフォロー
作業量が半分になり、新たなRPA導入も検討
RPAを導入してみて、どのようなメリットを感じられましたか?
小瀧様:以前は、各支店からPDFで取り込んだ物が書類として送られてきていたのですが、それが現在はデータとして送られてくるので、本社側の入力作業が減り、その時間を入力ミスがないかの確認作業ができるようになりました。おかげで入力ミスを減らすことができるようになったと思います。
それから、今までは一件ずつ見ていたものが、データ化されて一覧の形でも見られるようになったので、より間違いに気づきやすくもなりました。
あとは支店の住所など、常に入力する項目があるのですが、それもデータなのでコピーをして貼り付けるだけで良いとなったので、すごく便利になりました。
今までは1週間分をためてしまって、週末がその作業に取られてしまうこともあったのですが、今は作業的に負担が軽くなったことで、気持ち的にも後回しせずに、データが来たときにすぐやってしまえるようにもなりました。
RPAの導入でどの程度作業が軽減されたと感じられていますか?
小瀧様:実はこの作業を担当していた3名の中でも主に手入力の部分を担当していた社員が産休に入ってしまって。正直、どうしようと思っていたところに、今回のコボットPlatformの導入が重なったのですが、1名いなくなってしまったにもかかわらず、作業量としては減らすことができました。実感値としては、これまでこの入力作業に使っていた時間が半分くらいになったように思います。
また支店の方でも、今までは登録者様お一人ずつの内容をわざわざ紙の書面に起こしていて、作るのも大変だったと思うんです。コボットPlatformを導入することでエクセルのデータを使うことになり、同じ内容の人はコピーもできるし、簡略化できています。支店からも以前より楽になった、という声を聞いています。
いろいろと効果があるようですが、使いにくさはありませんか?
小瀧様:どうしてもロボット(システム)なので、仕様の変更や入力ミスなどに対応できず、ロボットが動いてくれないということはありました。本当に単純なことなのですが、エクセルに数字を入力するので、頭の数字が「0」だとそれが自動で消えてしまって、全体の桁数が変わって反応できないとか、全角・半角の間違いに対応できないとか。でも使っていくうちにそうやって動かない理由もわかったので、今は問題なく処理できています。
導入を最初に検討していた部長も、入力の作業に追われて、他の業務ができなくなっていることを気にしていたので、「楽になって良かったね」と、喜んでいます。
今後コボットPlatformに欲しい機能など要望はありますか?
小瀧様:現状はメールで各支店の担当から送られてきた登録者様のエクセルデータを、手作業で落としてからシステムに取り込ませているので、「その作業が機械的にできたらいいな」とは思っています。これはそのうちRPAで実際にやりたいな、と考えているところです。
他にはe-Govの作業ではないのですが、派遣スタッフの登録者数を日々計上しているので、それを各支店からデータで直接計上できないか?という話は上がっています。全支店で平均して日に4、50名の登録者様がいらっしゃいますので。
ただ現状ですと弊社側の入力がきちんとできていない部分があるので、そちらも順次検討していけたらと考えています。